銀棺の一角獣
「もはや戦では役に立たない身ですが、何なりとご用命ください」

「あなたにも、やってもらわなければならないことはまだたくさんあります」


 アルティナはミラールに笑顔を向ける。


「わたしは君主としては――あまりにも未熟だから。あなた達の力がなければ国をまとめることができないの。どうか皆、力を貸してください」


 デインが残った人材をかき集めて、国の建て直しを始めてはいる。けれど、王や皇太子とともに失われた人材は多くて、デインの苦労と負担は大きなものだった。


「騎士団の運営のことなんて、完全にわからないんだもの。新しい人を入れて、きちんとした組織を作らなくては――ね?」


 アルティナへの改めての忠誠を騎士達は誓う。そろって彼らは退出していったが、ルドヴィクだけはその場に残った。

「……ルドヴィク」
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