百鬼夜行の主
日本人の定番朝食(?)を食べながら、私は鬼灯を見る。鬼灯は静かに朝食を食べている
妖怪でも飯は食べるんだ…私は妙なところに感心しながら静かに鬼灯の顔を見た。
血色が悪いとは違うミルク色の肌に綺麗に通った鼻筋、切れ長の目の周りにはびっしりと睫毛がおおわれており、アイドル同様―いや、アイドル顔負けの顔を持った鬼灯は、噂だと他校の女子から毎日のように何度も告白されているらしい。しかし、その度に断っているらしい。
「…なぁ、鬼灯」
「なんでしょう」
鬼灯は緑茶を啜りながら訊く。私は意を決し、言葉を紡ぎだす。
「鬼灯って、好きな奴でもいるの?」
瞬間、鬼灯が緑茶を盛大に噴き出した。涙目になりながら、鬼灯が湯のみを置く
「ちょっと!大丈夫!?」
私は近くにあった台拭きでテーブルを拭く。鬼灯は顔を真っ赤に染め、口をハンカチで拭く。
「質問の内容を考えてくださいね…主様」
私は静かに俯き「すまん」と呟いた。確かに唐突過ぎた。
私は緑茶を啜った。鬼灯は相変わらず冷静で、濡れた服をハンカチで丁寧に拭いている。
余裕ぶっていると感じてしまい自分が悔しい…
私は一気に緑茶を飲み干し、食器も片付けずに部屋に行った。