ビター・スイート・ラヴ
 ましてや由香との離婚など考えるだけでも面倒だ。いくら互いの関係が
ぎくしゃくしているからといっても、結婚して何年も連れ添った妻とおい
それと別れるわけにはいかない。



 それに会社にだって、あさみとの不倫が公になったら出世どころか関連子
会社に飛ばされるのが落ちだ。それだけは避けたい。どうしたものか‥。



 浩輔は重い足取りで帰宅した。由香はまだ起きているらしい。リビングか
ら灯りが漏れている。



 着替えを済ませ洗面所で顔を洗いリビングのドアを開けた。



 由香はテーブルに突っ伏して、眠っていた。



 夕飯はすでにテーブルに用意されていた。



 浩輔は冷蔵庫からビールを取り出し手酌で飲んだ。その物音で由香は目を
覚ました。




「あっ、お帰りなさい。つい、うたた寝しちゃって、あなたが帰って来た
ことに気づかなかった。ごめんなさい、今おかずを暖めてくるわね」


「悪いな、由香はもう食べたのか?」
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