シャクジの森で〜青龍の涙〜
ドレスを椅子に掛けて、サササと近寄ってくる表情がどんどん曇っていく。
ナミもパタパタと走り寄って来て「医官様をお呼びしましょうか」と、額に手を当てる。
二人して眉を下げて真剣に見つめてくるので、エミリーは慌てて笑顔を作った。
「大丈夫、ほんのちょっぴり眠れなかっただけなの。なんだかそわそわしてしまって・・・でも心配しないで、どこも具合悪くないの。だから、医官も呼ばなくていいわ」
「そうですか?」
「あぁでもやっぱりいけませんわ。アラン様が居られないのですから、何かあっては大変です」
やっぱり呼びます、と動こうとするナミを「待って!」と制すると、さっきとは全く違う綺麗な声が出た。
それは、まるで自分のものではないようで――――
「――ぁ・・・ほら、もう声も戻ったでしょう?何ともないわ。このお話は、もうおしまい。ね?・・・それよりも、早く身支度をしておかないと、アラン様がいつ戻ってくるかわからないわ」
きちんとして、お迎えしたいの。
そう言ってエミリーがふわりとベッドからおりると、ついでにシャルルもモゾモゾと出てきた。
背中を逸らせて思い切り伸びをしたついでに爪を研ぎ、それを見ていたナミをチラッと見る。
「っ、ペッ、いいえっ、シャルル様も、お、おはようございますぅっ!」
ナミがササッと避けながらも声を掛けると、シャルルはのんびりと一声鳴いて、ストン・・とベッドから降りた。
そのまましなやかに歩いて籠に向かう。
そこには、ナミが用意してくれた餌がこんもりと盛られていて、それを嬉しげに食べ始めた。
何とも可愛い。
その一部始終をじーっと見守ったあと、メイは思い出したように窓の方を指した。
「そう!そうですわ、エミリー様の仰るとおりです!早く準備を致しましょう!ほら、ご覧ください。あんなに良い天気ですもの、アラン様のお仕事も、きっとシャキシャキはかどります!」
「そうです、そのとおりです!超超超~特急で問題解決されて、すぐに帰って来られますわ!エミリー様の思われてる以上に、アラン様は寂しいと感じておられますもの」
えぇそれはもう、寝る間も惜しんで頑張っておられます!
ナミは、力説といった体で、拳を握りしめてきっぱりとそう言いきった。
エミリーはちょっぴり複雑な気持ちになる。
アランが眠っていないなんて、心配なのだ。
でも懸命に元気づけてくれてるのがヒシヒシと伝わってきて、エミリーの気持が上向きになっていく。
「えぇそうね。二人ともありがとう。アラン様たちは、きっと早く帰ってくるわ」
そうだ。
今日もお弁当を作るのなら、昨日とっておいたあのお菓子も届けて貰おう。
それに、お手紙もつけて――――
エミリーは今日の予定をあれこれ考えながら、鏡台の前に立った。
ナミもパタパタと走り寄って来て「医官様をお呼びしましょうか」と、額に手を当てる。
二人して眉を下げて真剣に見つめてくるので、エミリーは慌てて笑顔を作った。
「大丈夫、ほんのちょっぴり眠れなかっただけなの。なんだかそわそわしてしまって・・・でも心配しないで、どこも具合悪くないの。だから、医官も呼ばなくていいわ」
「そうですか?」
「あぁでもやっぱりいけませんわ。アラン様が居られないのですから、何かあっては大変です」
やっぱり呼びます、と動こうとするナミを「待って!」と制すると、さっきとは全く違う綺麗な声が出た。
それは、まるで自分のものではないようで――――
「――ぁ・・・ほら、もう声も戻ったでしょう?何ともないわ。このお話は、もうおしまい。ね?・・・それよりも、早く身支度をしておかないと、アラン様がいつ戻ってくるかわからないわ」
きちんとして、お迎えしたいの。
そう言ってエミリーがふわりとベッドからおりると、ついでにシャルルもモゾモゾと出てきた。
背中を逸らせて思い切り伸びをしたついでに爪を研ぎ、それを見ていたナミをチラッと見る。
「っ、ペッ、いいえっ、シャルル様も、お、おはようございますぅっ!」
ナミがササッと避けながらも声を掛けると、シャルルはのんびりと一声鳴いて、ストン・・とベッドから降りた。
そのまましなやかに歩いて籠に向かう。
そこには、ナミが用意してくれた餌がこんもりと盛られていて、それを嬉しげに食べ始めた。
何とも可愛い。
その一部始終をじーっと見守ったあと、メイは思い出したように窓の方を指した。
「そう!そうですわ、エミリー様の仰るとおりです!早く準備を致しましょう!ほら、ご覧ください。あんなに良い天気ですもの、アラン様のお仕事も、きっとシャキシャキはかどります!」
「そうです、そのとおりです!超超超~特急で問題解決されて、すぐに帰って来られますわ!エミリー様の思われてる以上に、アラン様は寂しいと感じておられますもの」
えぇそれはもう、寝る間も惜しんで頑張っておられます!
ナミは、力説といった体で、拳を握りしめてきっぱりとそう言いきった。
エミリーはちょっぴり複雑な気持ちになる。
アランが眠っていないなんて、心配なのだ。
でも懸命に元気づけてくれてるのがヒシヒシと伝わってきて、エミリーの気持が上向きになっていく。
「えぇそうね。二人ともありがとう。アラン様たちは、きっと早く帰ってくるわ」
そうだ。
今日もお弁当を作るのなら、昨日とっておいたあのお菓子も届けて貰おう。
それに、お手紙もつけて――――
エミリーは今日の予定をあれこれ考えながら、鏡台の前に立った。