ハッピークライシス




「で、何?」


シホの問いに、男は随分楽しそうに目を細める。


「…ずっとあの子のことを考えてる」

「あたしとセックスしながら、違う女のことを?…ほんと、最低な男よね、あんたって。どうせ、手に入れたらすぐに飽きるくせに。その欲しがり癖、どうにかしたら」



"うん、…欲しいな"そう男が呟いた瞬間、ぐっと身体を強く引かれ、目の前で無数の星が散った。本当に、最低だ。けれどそんなこと分かりきっているくせして、こうして身体を繋げているのだから自分も同じくらい頭がおかしいのだ。

この男が狙いを定める"彼女"に同情しつつ、シホはゆっくりと目を閉じた。



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