ハッピークライシス
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まるで無重力の宇宙に放り出されたように、ぐるぐると頭の中がまわる感覚。
酷く気怠るい身体、働かない頭――
…ああ、今何時だろう。
「…――エ、ユエ……」
遠くで声がする。
それでも沈みかけの意識を奮い起こすことなく、その呼びかけに答えないでいれば、ついには右頬に鋭い痛みが走った。
「ユエ!!」
うっそりと目を覚ます。
じんじんと痺れる頬を押さえながら、定まらない視線を持ち上げれば、そこには怒りに目を吊り上げたシホがいた。