夢花火





ーー夜。


宴が、始まった。



「ほら、千春さんも飲みましょうよ」


沖田がそう言って、お酒を入れようとする。


「私は遠慮しておきます」


ここでは関係ないかもしれないけど、一応未成年だし。


「そうですか…」


沖田が一瞬、しゅんとした顔をする。
…何なんだ。


「あ…ちょっと、お酒は苦手なんです」

「苦手なんですか?なら、しょうがないか」


沖田はそう言うと、お酒を一口飲んだ。


「そう言えば千春さん、江戸から来たんですよね?」

「あ、はい」

「私達も、ここまで江戸から来たんですよ」


それくらいは知っている。
未来では、新撰組は有名だ。



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