Wild Rock


 なぜ悪寒が走るのかわからなかったが、またにっこりと微笑まれるが、またしても悪寒が走る。

 ルーシュは失礼とおもいつつ、はねのけてマリアの後ろに隠れる。

 怪訝な顔をしながらルーシュに目をやると、脅えた顔で震えていた。

「どうした?」

「わかんねーけど、何かあの子ヤダ! 何か背中すっげえゾンゾンするっ!」

 少女はその言葉を聞いて、大きな瞳から大粒の涙を流した。

「こらルーシュ! 女の子泣かすなんてサイテーよ!」

「そうだぞバカ犬! 鳴かすならベッドの上で鳴かすへぶっ!」

 スパン!

「教育的指導! 字が違うし場所関係ないわよっ!」

 卑猥な言葉を出したフェンリルに、脳天へと鉄扇を振り落とす。

 また大きな声で泣かれ、四人は戸惑いを隠せない。

「うわああんっ! あんまりですわルーシュ様! こんなに貴方を愛していますのに~っ!」

『ルーシュさまあっ?!』

 三人は驚いて叫びながらルーシュを見下ろした。

 
< 139 / 251 >

この作品をシェア

pagetop