Wild Rock


「いやあの、離してよ…」

「ヤダ」

 ダダをこねる子供みたいに言っちまったけど、帰したくなくて、まだ居てほしくて、さっきよりも強めに抱きしめた。

 少々抵抗されたが、ため息混じりで諦めて大人しくなった。


「遊びなら止めてよ。またそんな男に、されたくないわ」

「遊びじゃねぇ。ってか、初めてすんなら、好きな奴って決めてたし…」

 恥ずかしながら俺はまだチェリーだったのだ。

 その言葉を聞くなり、豆鉄砲を食らったハトみたいな顔になっていた。

「今時、ムダに清いのね…」

 出る言葉もなかったが、好きな奴じゃねぇと気持ちよくならねぇって、よく言うじゃん?

 寄ってくる女は、大抵悪ダチに回してたし。

「珍しいのはイヤかよ?」

「イヤじゃないわ。あたしの色に、染めてあげるわよ…」

 そう言って、深く唇を交わした。



 
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