Wild Rock


「何でいつも俺達なんだ! 俺達は何も悪くねーのに! 何で何で、何でなんだあああ!!」

「落ち着けフェンリル!」


 あの幸せだった日々を帰せ!

 誰が殺ったのかはわからねぇ。

 絶対に見つけて、俺が鉄槌を下してやる!







 あれから半年が過ぎ、アニエスを殺した奴の手がかりも見つからず、俺は途方にくれていた。

 こんな小さな町で、誰に聞いても目撃者もいない。

 真っ昼間におきたことなのに、誰も知らない。

 不自然すぎるが、答えは見つからないままだった。


 根詰めると良くないとオーナーに言われ、たまにバーで働くことになった。

「フェンリル。書斎室に行って書類を取ってきてくれ。机の上に置いてあるから」

「うっす」

 書類室に行き、書類を捜していると、床に転がっていたインクのビンに躓き、本棚に顔越しでぶつかった。

 バササ!


 ゴトン!


「いって~!」

 本がそこらじゅうに散らかり、俺は鼻を押さえて片付けた。

 
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