Wild Rock


「ったく! 朝っぱらからバカでかい魔力出しやがって!」

「なーなーマリア。あのでっかい犬なんだ?」

 当時13才のマリアと10才のルーシュだ。

 まだこんときのマリアの髪は長かったんだけどな。

「馬鹿かお前は。あれは狼だ。犬はお前でじゅうぶんだ」

 ルーシュはそれを理解したように、手をポンッと叩いた。

「とりあえず、どーすんの?」

「石でも投げてみるか?」

 マリアの言葉通り、ルーシュは自分よりでかい壁を軽々持ち上げて、俺の顔に投げつけてきた。

「ギャオゥ! てめぇ何しやがる! よそモンはすっこんでろ!」

 俺は更に激怒してルーシュに叫ぶと、マリアが銃を構えて睨みをきかせてくる。

 その碧い瞳で睨まれた瞬間、俺はなぜか恐怖した。

「死んだ奴がそうしろといったなら止めはしないんだが、お前の隣で、泣いてお前を止めようとしてる女がいるんだがな?」

 わけのわからないことを言うやつだと、当時は思っていた。

 
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