Wild Rock


「あなたの、あの歌を…わたしに…。弱くて…ごめんなさい……」

「人というのは、弱い生き物だ。そしてそれを支える者、それを主は友と呼ぶ。お前を支えてやれなかった。謝るのは、あたしのほうだ…」

 アマンダは涙を流した。
 こんな姿になってもなお、自分のことを友人と呼んでくれるマリアに、感謝の涙を。

「我、汝を天使界第三天に送る!
 裁きの橋で、スラオシャの天秤の指示に従え。

 アーメン」


 ガウン!


 アマンダの死によって、辺りにかけられていた呪いが解け、うっそうと茂った森が現れた。

 始めから村などなかったのだ。
 すべてはアマンダが作り出した幻影の中で躍らされていた。

 
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