幕末オオカミ
「よし、山南さんのところにお礼に行くか。
こうしてても暑いだけだし」
「うん、賛成!」
あたしたちは体を離し、笑いあった。
素直になれば、とびきり気があうのに、どうして今までそれができなかったんだろう。
……ううん、後悔したってしょうがない。
今日も命があった。
それでじゅうぶん。
命が続く限り、一回でも多く、無愛想なあなたが笑ってくれたらいいな。
そうしたらきっと、あたしも笑っていられるから。
後からそっと、総司の小指をつかむ。
気づいた総司は、それを離して、ちゃんと握りなおす。
こんなささいなことが、本当に幸せなんだ。
泣きそうなくらい……。