幕末オオカミ


「よし、山南さんのところにお礼に行くか。
こうしてても暑いだけだし」


「うん、賛成!」



あたしたちは体を離し、笑いあった。


素直になれば、とびきり気があうのに、どうして今までそれができなかったんだろう。


……ううん、後悔したってしょうがない。


今日も命があった。


それでじゅうぶん。


命が続く限り、一回でも多く、無愛想なあなたが笑ってくれたらいいな。


そうしたらきっと、あたしも笑っていられるから。



後からそっと、総司の小指をつかむ。


気づいた総司は、それを離して、ちゃんと握りなおす。


こんなささいなことが、本当に幸せなんだ。


泣きそうなくらい……。




< 420 / 490 >

この作品をシェア

pagetop