幕末オオカミ
──事態が動いたのは、そのすぐ後だった。
山南先生のところにいたあたしたちのところに、
平助くんが走ってきた。
「総司、ヤバイ!
俺たちが封じた桝屋の蔵が、破られた!」
「あぁ!?」
「えっ!!」
平助君の額には、夏の汗とは異質のものも浮かんでいた。
いつも温和な顔が、緊張で引きつっている。
「武器や弾薬が盗まれた……!」
「……なんだと!じゃあ、討幕派が……」
「すぐにでも、動きだすかもしれない……!」
なんていうことだろう。
あんなものを、この京の街で使われたら……!
あたしたちはいても立ってもいられず、責問いが行われている蔵へと急いだ。