幕末オオカミ
「や、やめてくれ……っ」
「お前がさっさとしゃべらねぇから悪いんだぜ。
どうする、今のうちに吐くか?」
「く……っ」
桝屋は唇を噛み締める。
土方副長は小さなため息をついた。
「──仕方ねぇな。降ろしてやれ、総司」
「はい」
総司はすぐに、桝屋をつるしていた縄を斬った。
どさり、と崩れ落ちた体は床に赤いシミをつくる。
土方副長は、その傍らに膝をつき……。
おもむろにその足をつかみ、甲から足の裏へと、あたしの苦無を突き刺した。
「ぎゃあああああああっ!!」
悲鳴が蔵の中に響き渡る。
しかし副長は容赦なく、尖った苦無の先に蝋燭を立て、火をつけさせた。
これにはさすがの桝屋もたまらない。
隊士でさえ顔を背け、見守っていた近藤局長も顔をゆがめていた。