幕末オオカミ


「……絶対、やらねー」



言い返すと、平助はにこりと笑い返した。



「話中、悪いが」


「うわ、一!どこから湧いたんだよ!?」


「失礼な。俺はずっとここにいた」



斉藤はむっとした顔をした。


刀に詳しい斉藤は、隊士たちの刀を見てまわってやっていたようだ。



「そろそろ、小荷駄が出るそうだが、荷物はすべて預けたか?」


「ああ、大丈夫だ」



防具の類は着て出ると目立つので、全て荷物運び役に預けてある。


原田さんの槍なんかも、そのひとつだ。



「……永倉さんたちが、余計な荷物を増やしたと言って、小荷駄がぼやいていた。

これ以上なければ、それにこしたことはない」



「余計な荷物?」


「なんだそれ?」



俺と平助が聞くと、斉藤はかすかに笑った。


< 432 / 490 >

この作品をシェア

pagetop