幕末オオカミ
「……絶対、やらねー」
言い返すと、平助はにこりと笑い返した。
「話中、悪いが」
「うわ、一!どこから湧いたんだよ!?」
「失礼な。俺はずっとここにいた」
斉藤はむっとした顔をした。
刀に詳しい斉藤は、隊士たちの刀を見てまわってやっていたようだ。
「そろそろ、小荷駄が出るそうだが、荷物はすべて預けたか?」
「ああ、大丈夫だ」
防具の類は着て出ると目立つので、全て荷物運び役に預けてある。
原田さんの槍なんかも、そのひとつだ。
「……永倉さんたちが、余計な荷物を増やしたと言って、小荷駄がぼやいていた。
これ以上なければ、それにこしたことはない」
「余計な荷物?」
「なんだそれ?」
俺と平助が聞くと、斉藤はかすかに笑った。