幕末オオカミ
忍装束のまま、こそこそと八坂神社周辺、鴨川周辺、四条から三条へと歩き続ける。
夏の容赦ない日差しのせいもあり、体はすぐにクタクタになってしまった。
いまだ、討幕派の尻尾はつかめていない。
「もう、夕方……」
いつの間にか日は沈みかけている。
夕日が京の街を赤く染めた。
この茜色を、大火に変えるわけにはいかない。
「……しかし、腹減ったなぁ~」
お腹がぎゅるるると、マヌケな音を立てた。
気づけば朝から、何も食べていなかったんだ。
こんなことは久しぶりだ。
前に空腹を感じたのは、総司と出会った日だった。
「くそ~どこだよ、討幕派……」
町娘の格好なら、どっか店入ってご飯食べれたのにな。
そう思っても仕方ない。
っていうか、時間がないから!