幕末オオカミ
あ、そうか。
応援を頼んだ会津藩はまだ到着していないようだけど、たしかに集合時刻にはまだ少し間がある。
「はーい」
「おう……よくやったな」
総司があたしの頭に手をのばす。
されるがまま、頭を撫でられていると……
「なーにイチャイチャしてんだよ!」
ばふん。
と、総司の背後から、その頭に大きな布がかけられた。
それは、夏の空のような浅葱色……。
「永倉先生?」
「ほら、お前もさっさとこれ着ろ!」
「これって……」
「俺が小荷駄に預けておいたんだぜ!
いいだろ!」
えっへん、とふんぞり返った永倉先生が着ていたのは、総司に渡されたものと同じ羽織りだった。
浅葱色に、白いだんだら模様。
季節はずれになった冬からいつの間にか誰も着なくなった、新撰組の隊服──。