幕末オオカミ
「行くぞ!!」
階段を駆け上る局長のあとを、あたしと総司が追う。
平助くんや永倉先生は、逃げた浪士を捕縛するため、一階に残った。
他の隊士は、池田屋周辺を取り囲む。
「御用改めだ!
無礼いたせば、容赦なく斬り捨てる!!」
開いたふすまの先には、二間をぶちぬきにして、20名ほどの浪士が集まっていた。
浪士達は、局長や総司の隊服を見て、仰天する。
「新撰組……!!」
浪士達が叫んだのと同時に、灯りが消えた。
誰かが、蝋燭の火を吹き消したんだ。
すら、と局長と総司が刀を抜く。
すると浪士達は狼狽し、同じように刀を抜く。
しかしそのほとんどは、我先にと手すりを越えて、裏口へと逃げ出した。
「あとは俺が引き受けます!!」
残った敵を前に、総司が局長に声をかける。
「頼んだぞ、二人とも!」
局長はうなずき、手すりを飛び越えて裏口へと向かった。