幕末オオカミ


「行くぞ!!」



階段を駆け上る局長のあとを、あたしと総司が追う。


平助くんや永倉先生は、逃げた浪士を捕縛するため、一階に残った。


他の隊士は、池田屋周辺を取り囲む。



「御用改めだ!
無礼いたせば、容赦なく斬り捨てる!!」



開いたふすまの先には、二間をぶちぬきにして、20名ほどの浪士が集まっていた。


浪士達は、局長や総司の隊服を見て、仰天する。



「新撰組……!!」



浪士達が叫んだのと同時に、灯りが消えた。


誰かが、蝋燭の火を吹き消したんだ。


すら、と局長と総司が刀を抜く。


すると浪士達は狼狽し、同じように刀を抜く。


しかしそのほとんどは、我先にと手すりを越えて、裏口へと逃げ出した。



「あとは俺が引き受けます!!」



残った敵を前に、総司が局長に声をかける。



「頼んだぞ、二人とも!」



局長はうなずき、手すりを飛び越えて裏口へと向かった。




< 445 / 490 >

この作品をシェア

pagetop