幕末オオカミ
「ぎゃあああああっ!!」
裏口に降りると、そこかしこから悲鳴が聞こえてきた。
局長に斬られた浪士が転がり、庭を赤く染めている。
あたしはそれらを調べ、息のある者を縄で縛っていった。
死んだフリした浪士に、いきなり背後から斬られたら大変だ。
「楓くん、どうした!?」
あたしに気づいた局長が、敵を追いながら問う。
「総司が、局長を手伝えって……」
「こっちなら心配ない!他の隊士もいる!
きみは二階へ戻ってくれ!!」
「でも……」
総司の言うとおり、こっちのほうが敵の人数が多そうなんだけど……
「いいから、戻ってくれ!!
総司を一人にするな!!」
「……!!」
そうだ……
いくら総司が強くても、今は夜。
頭上には月が出ている。
きっと、窓を破られたあの部屋にも、その光は届いてしまう……。