幕末オオカミ
あたしはうなずいて、池田屋の中に戻る。
もしかして、降りてきて一階にいるかもしれない。
月の光は、危険だから……。
そう思って表口から入るけど、総司はいない。
「──平助っ!!」
「!?」
今のは、永倉先生の声だ。
声がした方を振り返ると、平助くんが額から血を流しているのが見えた。
「平助くんっ!!」
油断したすきにやられたんだろうか。
駆け寄ろうとすると、ぐいと手を引っ張られた。
「ここは俺がいる!!お前は二階へ行け!!」
「永倉先生……!!」
「平助は絶対殺させねえ。
お前は総司を頼む。
嫌な予感がする。
早く行け!!」