幕末オオカミ


敵にやられたことを知られたくなかったのか、あっさり暴露した平助くんを、永倉先生はぽかりと殴った。



「……で、本当のところ、二階で何があったんだ?」


「わ、またわいた!!」


「人を蛆虫みたいに言うな、藤堂」



いつの間にか輪に入ってきたのは、斉藤先生だった。


わいたと言われて、ちょっとムッとしている。



「えっと……」


「俺が油断したすきに、死んだと思っていた敵が斬りかかってきた。

それを阻止しようとして、楓が傷を負った。

何回も言ってるだろう」



総司がべらべらと嘘を並べ立てる。



「本当にそうだったのか……愛の力は偉大だな」



斉藤先生は、感心感心、とうなずきながら酒を飲んだ。


どうやら、少し酔っているらしい。


大げさな台詞に、あたしと総司以外は爆笑していた。


< 475 / 490 >

この作品をシェア

pagetop