幕末オオカミ
敵にやられたことを知られたくなかったのか、あっさり暴露した平助くんを、永倉先生はぽかりと殴った。
「……で、本当のところ、二階で何があったんだ?」
「わ、またわいた!!」
「人を蛆虫みたいに言うな、藤堂」
いつの間にか輪に入ってきたのは、斉藤先生だった。
わいたと言われて、ちょっとムッとしている。
「えっと……」
「俺が油断したすきに、死んだと思っていた敵が斬りかかってきた。
それを阻止しようとして、楓が傷を負った。
何回も言ってるだろう」
総司がべらべらと嘘を並べ立てる。
「本当にそうだったのか……愛の力は偉大だな」
斉藤先生は、感心感心、とうなずきながら酒を飲んだ。
どうやら、少し酔っているらしい。
大げさな台詞に、あたしと総司以外は爆笑していた。