総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜
『いや…いやだッ!』
大輔に手を振り払われた私は……それでも、頑なに首を振り続けた。
だって、大輔を[獄炎]の総長だと認めたら――
『私はッ、お前と…大輔と戦わなきゃいけなくなる!』
「……そうだね」
大輔の口調は、どこまでも柔らかい。
『それだけは嫌なんだ、絶対に拒否するッ!!私は…私は、誓ったんだ!もう大輔とは戦わないって!』
脳裏に次々と浮かぶあの日の光景を閉め出すようにキツく目を閉じた私は、頭を抱える。
『じゃなきゃ、私はお前になんの償いも……』
真っ黒な罪悪感が心の中に広がって、自然と涙が目の縁に溜まりはじめる。
と、その時
「償いって、何」
冷え切った声と共に、大輔が私の胸倉を掴み上げた。