総長様はご機嫌ナナメ 〜裂空VS獄炎〜




「そりゃ、今まで通りに過ごせないと知った直後は飛鳥を恨んだよ。

けど、すぐに思い直したんだ…もし俺が飛鳥だったとしても、同じ行動をしただろうって」


『………!』


「だから俺は、飛鳥を許そうと思った。自分の事を責めてばかりいる飛鳥の心が一刻も早く晴れるといい、と思った。

……それなのに…飛鳥は……っ」


『…ぐ……ぁ…っ』



大輔が、胸倉を掴む手に力を込めた。


それと同時にシャツの衿が首に食い込み――息苦しくなった私は、咄嗟に大輔の身体を突き飛ばした。



『ぅ……ゲホッ、ゲホッ!』



一気に空気を吸い込んだせいで咳込んでしまった私は、大輔の足元にうずくまる。


大輔は、しばらく逡巡するような気配を見せたあと――



       ズル
「……飛鳥は、狡い」



小さく呟いて、私に背を向けた。




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