恋猫

 「今日はめでたい。実に、めでたい。蔵乃進の家と縁続きになるとは・・・。迂闊にも、夢にも考えなかったわ。うはははは・・・」


 上機嫌で淳ノ介の父 淳ノ条が口を開いた。


 「あなた、まだ決まってもいませんのに・・・」


 淳ノ介の母 菊が、着物の袖を軽く引っ張ってを夫をたしなめた。


 「何を言う。決まったも同然だ。なあ、蔵乃進」
 「おお、誠にめでたい。こんないい組み合わせが、ほんの手近にあったとは、誠 迂闊であったわ」


 五谷蔵乃進が淳ノ条に全く同感だと、自分の意思を明らかにした。
 父親同志の対話を聞いて、篠がポーと頬を薄赤く染めた。





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