恋猫


 待ち合わせ当日。
 大社神社の境内。


 鈴はかなり早めに待ち合わせ場所に来て、淳ノ介が現れるのを、今か、今か、と待っていた。


 美化は淳ノ介よりひと足早く屋敷を出た。
 大社神社の境内に着いてみると、鈴はすでに来ていた。


 (やけに早いじゃないか)


 (慌てなさんな。淳ノ介はすぐに来るからね。恋する女は魔物だ。何も怖いものは無い。後暫くだけ時を上げる。せいぜい、色っぽい妖怪におなり。ここから、ばっちり高みの見物して上げるからね)


 美化は物陰に隠れて、最高潮の場面の到来を、今か、今か、と待ち兼ねていた。
 そこへ、フェロモンを噴火する活火山、イケメン淳ノ介が現れた。






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