恋猫

 「あれは、何だ。銀次、ちょっと見て来てくれないか」


 尚八郎が銀次に命令をした。

 「へい」

 銀次が桶の近くまで走って行った。


 「あっ、大変だ。大友さま~」


 銀次が桶の横手に横たわる女の死体を発見した。
 慌てて尚八郎が死体のそばへ。


 「これは、『越後屋』の娘じゃないか」


 尚八郎は鈴の警備をしていた関係上、鈴の顔はよく覚えていた。


 「間違いありやせんで。これは、『越後屋』の鈴ですぜ」


 銀次が相槌を打った。
 二人は屈んで死体を検分した。






 
< 120 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop