恋猫
「あれは、何だ。銀次、ちょっと見て来てくれないか」
尚八郎が銀次に命令をした。
「へい」
銀次が桶の近くまで走って行った。
「あっ、大変だ。大友さま~」
銀次が桶の横手に横たわる女の死体を発見した。
慌てて尚八郎が死体のそばへ。
「これは、『越後屋』の娘じゃないか」
尚八郎は鈴の警備をしていた関係上、鈴の顔はよく覚えていた。
「間違いありやせんで。これは、『越後屋』の鈴ですぜ」
銀次が相槌を打った。
二人は屈んで死体を検分した。