恋猫
(可笑しい。死んだ筈の娘が、生きているなんて・・・。死体の致命傷は、喉もとの噛み裂かれた傷。・・・まさか、獣か、妖怪が、化けた姿では・・・)
(ああ、怖ろしいや。怖ろしいや。一刻も早く大友さまに。この事をお伝えしなくては・・・)
銀次はそう考えると、一目散に鈴の殺害現場へと駆け出した。
銀次が鈴の殺害現場に到着した。
尚八郎は、死体の近くで足跡を調べていた。
「大友さま、びっくりする事が起こりましたぜ」
現場に到着するや否や、銀次が尚八郎に先ほど見た事を語り始めた。
「『越後屋』には、何と鈴がおりやしたで」
「ええっ、何だと・・・」
尚八郎が獣の足跡以上に、銀次の言葉に興味を持った。