恋猫

 「そう言えば、楓家には三匹の猫がいたっけ。あのうちのどれかが、鈴に化けているとしたら・・・。それなら、つじつまは合う。でも、あの三匹のうちの一匹が。まさか・・・」


 尚八郎は推理の糸を手繰り寄せていた。


 鈴が屋敷の中に向って声を掛けた。

 「ごめんくださいまし」

 「ごめんくださいまし」

 声が聞こえたのか、中から淳ノ介が出て来た。
 二人は玄関で少し談笑し、中に入って行った。


 尚八郎と銀次は、二人が屋敷に消えるのを見届けると、急いで楓家の玄関へ。


 「銀次、鈴の下駄を調べるんだ。鼻緒も下駄の裏も丹念に見るんだぜ」
 「へい、合点だ」


 銀次が下駄の片足、片足を手に取って丹念に調べた。






< 130 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop