恋猫

 「淳ノ介さまのお屋敷には、たしか三匹の猫を飼っておられましたね。申し訳ございませんが、その三匹をここに連れて来てもらえませんか。恐らく二匹しかいないと思いますが」


 尚八郎が、三匹の猫を連れて来るように淳ノ介に依頼した。


 「二匹しかいない。それは、なぜでございますか」


 淳ノ介が、湧き上がる疑問を尚八郎にぶつけた。


 「それは、あとでご説明致します。それより、早く三匹の猫をここへ」


 尚八郎が三匹の猫を淳ノ介に催促した。


 「わかりました。では、すぐここに連れて参ります」


 淳ノ介が猫のいる部屋へ。
 その部屋には、尚八郎の言った通り、二匹の猫しかいなかった。


 「美化はどこに行ったのだ」


 淳ノ介がみみと玉に声を掛けた。


 にゃお~。


 にゃおォ~。


 みみと玉は鳴き声を上げるばかりで、我関せずという様子。





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