恋猫
「何と、鈴さまが美化・・・。幾らなんでも、大友さま冗談が過ぎまする」
淳ノ介が呆れた顔をした。
「では、証拠を見せて進ぜましょう。淳ノ介さま、そこの二匹の猫は、どちらも雌にござりますか」
「いいえ、一匹はオスでございます」
淳ノ介は、尚八郎が何をするのか、興味津々。
「では、そのオスの猫を私に渡して頂けませんか」
「玉をですか。いいですよ」
淳ノ介が、玉を尚八郎に渡した。
尚八郎は玉を鈴の横手に持って行った。
鈴は先ほどから下を向いて、ずっと黙っている。
いきなり、尚八郎が玉を鈴の顔と首筋に近づけ、鈴の臭いを嗅がせた。