恋猫

 「あぁぁ~」


 鈴が驚いて身を仰け反らせた。


 にゃおォ~。


 鈴の臭いを嗅いだ玉が、鈴に擦り寄った。


 にゃおォ~。


 にゃっォ~。


 玉は、甘えたように体中擦り寄せ鈴にべた付いている。


 (あっちに行け。あっちに行け。あっちに行けと言うのが分からんのか。行かんと、ぶっ殺すぞ)


 化身した鈴は、玉を追い払う為に、心の中で汚い言葉を掛けた。そして、少しずつ体をずらして玉との距離を離そうとしている。


 「どうです。玉は鈴さまが美化である事を見抜いているのです。外観は化身出来ても、臭いまで化身出来ないからです」


 尚八郎が推理の確信に迫った。






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