恋猫

 「本当に美化なのか」


 淳ノ介が、悲しそうな顔をして化身した鈴に話し掛けた。







 「ば れ た か」






 下を向いて沈黙していた鈴が、いきなりむくっと立ち上がった。


 化身した鈴は立ち上がると、着物の裾を振り乱し、目にも止まらぬ速さで行灯の所に行った。そして、行灯の油を、赤い長い舌を出したり入れたりしながら、ペロペロぺろぺろ舐め出した。


 皆は度肝を抜かれて、その光景に、目が金縛りのようになっていた。








 
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