恋猫


 「見たな」



 鈴が不敵な笑みを浮かべた。


 次の瞬間。
 化身した鈴の顔の部分だけが、猫の顔になり、その顔は、まるで歌舞伎の隈取を施したような形相になっている。


 鈴の髪の毛は、ばさばさで逆立っている。
 朱色と藍色の隈取をしたような不気味な顔で、鈴が目明したちを睨み付けた。



 ふ-ふるふる。


 にゃオ~~ッ。



 その怖ろしい事、怖ろしい事。
 その妖しき事、妖しき事。




 ふーふるふるふる。





 にゃおごォ~~。






 豹変した鈴は、髪の毛を振り乱し、長い爪を立て、皆を精一杯 威嚇した。






 
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