恋猫


 よろけながら、鈴が逃げた。
 足が自然と、自分の部屋に向かっている。


 淳ノ介は鈴が自分の部屋に向って逃げるのを見て、急いでその後を追った。
 淳ノ介の後を尚八郎と銀次が追い掛けた。


 ぽとぽとぽとぽと・・・。


 ぽとぽとぽとぽと・・・。



 廊下には鈴の血の跡が。
 鈴がふらつきながら、部屋の障子の戸を開けた。



 鈴は自分の部屋に入ると、安心したのか、それまで必死で立っていたのが嘘のように、崩れるように倒れてしまった。


 後から、淳ノ介が部屋に入って来た。



 「鈴!」



 「鈴!」



 淳ノ介が鈴を慌てて抱きかかえた。






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