恋猫


 「しっかりせよ」


 淳ノ介がぐったりしている鈴に声を掛けた。
 愛しい淳ノ介の声を聞いて、鈴が目をぱちっと開けた。


 「あっ・・淳ノ介・・さま」


 鈴がか細い声を上げた。


 「なぜ、こんな怖ろしい事を」


 淳ノ介が豹変した鈴に尋ねた。




 「淳ノ介さまに・・心から・・愛されたかった・・・」




 「愛されたかった・・・」



 鈴の瞳に大粒の涙がひと粒浮んだ。


 「鈴!」



 「鈴!」


 淳ノ介の声に反応したのか、鈴が渾身の力を込めて、むくっと起き上がった。そして胸のあたりから流れる自分の血を、ぺろぺろぺろぺろと舐め出した。






 
< 143 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop