恋猫

 淳ノ介には、ある思惑があった。


 それは、この場所から篠さまは、楓家の屋敷に向われた訳だから、きっとこの範囲のどこかに何らかの痕跡がある、というもの。


 淳ノ介は大きな通りよりも、むしろ小さな通り、路地を主に捜すつもりでいた。
 二つ目の路地を丹念に捜していると、竹ざおを束ねた横に人が倒れているのが、少しだけ見えた。


 「あれは・・・」


 「もしや」



 慌てて淳ノ介がその場所まで走って行った。
 淳ノ介の勘が当たっていた。


 無残な姿で倒れているのは、篠だった。





 
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