恋猫

 それから、二人は篠の遺体を丹念に調べ尽くした。


 岡引の銀次は、死体から離れると、死体の周りを隈なく見て回った。そして、死体から少し離れた所にしゃがみ込んだ。


 「何か、見つかったかい」
 「へい、ここに足跡のようなものが・・・」


 銀次が、地面にくっきりと残された足跡に目を釘付けにしている。
 尚八郎が地面の足跡に目を留めた。


 「またしても、獣の足跡か」
 「ふ~む」


 尚八郎は、また腕組をして暫く思案してから一言。


 「まるで、猫か別の獣に噛み殺されたか」
 「と、いうことは、下手人は猫か、別の獣ですかい」


 銀次が尚八郎の顔を見て言った。






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