恋猫
「美化!どこに行くんだ」
淳ノ介が美化に声を掛けた。
「その猫は、あなた様の猫でございますか」
「は、はい、そうですか」
二人は磁力が解け、初めて会話を交わした。
美化はその近くをぐるりと一周すると、二人のそばに近寄って来た。
「あっ、この瓦版に私の事が・・・」
「いや~ん。恥ずかしい」
鈴は瓦版を持っているのに気が付き、目をざっと通すと、顔を赤面させて両手で顔を隠してしまった。
「それは・・・。あのいやその・・誠に私とした事が失礼しました」
釈明するつもりが、思うように話せず、淳ノ介はただただ頭を下げた。