恋猫

 「美化、聞いているの。食べてばかりいないで、私の話を真剣に聞いてよ。さもないと、鰯の煮付けを持って行ってしまうわよ」


 鈴は鰯と格闘している美化に、ぷりぷりのおかんむり。


 (分かったよ。分かった。仕方ない。うまい魚を食うのを一時中断して、話を聞いてやるか)


 (さあ、言ってごらん)


 美化は鰯を食べるのを中断して、何?という顔をした。


 「淳ノ介さまは、私の事をどう言っていた。素敵な人とか、何とか、言っていた」
 「うん」


 美化が大きく頷いた。


 「本当?本当の本当」
 「うん」


 美化が、また頷いた。


 「嬉しい。淳ノ介さまが私の事を素敵な人だと思ってくれているなんて、私、し・あ・わ・せ」


 鈴は、ほんのり頬を紅潮させた。






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