マスカレードに誘われて
彼女の目を見て、キースははっきりと言う。
彼女は驚いたように口を開けた。
「まぁ、後で詳しく説明するけど、今夜色々とあってね。もしかしたら、世間的にも君が認められる日が来るかもしれないんだ」
「嘘……」
「嘘じゃないよ。現に、ロイ様とイヴ様はもう社交界入りを果たしたんだ」
「……」
エリカの瞳が揺れる。
キースは目を細め、嬉しそうに笑った。
「もうあんな日の当たらないところで、しかも一人でいる必要なんか無い」
「兄様……」
「だから死にたいだなんて言わないで。僕だって、君を亡くしたくないんだ」
キースを見上げた彼女の目から、大粒の涙が溢れ落ちる。
次の瞬間、彼女はキースに勢いよく抱き着いた。