マスカレードに誘われて

ロイが不満そうに声をあげる。
剣を構えたまま、厳しい目で彼女を見つめている。

ここで怯んではいけない。

イヴは大きく息を吸い、口を開いた。

「理由なんか無いわ。見ていれば分かるもの」

「そんなこと言われても!僕達のこと、追い掛けてきたんだよ?」

「それでも敵じゃないの!彼等は……彼等は、ただ遊んでもらいたかったんだよ」

「何を――」

「イヴ様、何かを吹き込まれましたか?」

キースが冷静に尋ねる。
彼は剣を下ろし、真剣な表情で彼女を見た。

「吹き込まれてはいないわ。何となく、そう感じただけよ」

少女の声が聞こえた話は、言わない方がいいだろう。

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