★時の架け橋★ ー誠の背中に恋をした。







――気がついたら何も考えず走っていた。






ついさっきまで、あれほど歴史を変えては駄目だと言い聞かせていたのに。





こんな事許せる事じゃないのに…




未来を変えてしまうかもしれないのに。




私の足はまるで大事な人を失わない様に、必死になっているようで…止まらない。






裸足の為に、走っている足は傷だらけの泥だらけになっているだろう…




あの優しい丞だから、きっと私の後を追ってきてくれている…






丞………ビックリしてるよね…







私が縁側から立っただけで、あんなにも心配するんだもん…優しすぎるよ丞…





そう思うが、やっぱり私の足は止まらなかった。







私の体が……大事な人を…愛次郎を失うのを拒んでいるんだな…








ついつい愛次郎とあぐりちゃんの無事を願ってしまう。






助けたい。大事な人を…







お願い。無事でいて…
< 237 / 447 >

この作品をシェア

pagetop