★時の架け橋★ ー誠の背中に恋をした。
――気がついたら何も考えず走っていた。
ついさっきまで、あれほど歴史を変えては駄目だと言い聞かせていたのに。
こんな事許せる事じゃないのに…
未来を変えてしまうかもしれないのに。
私の足はまるで大事な人を失わない様に、必死になっているようで…止まらない。
裸足の為に、走っている足は傷だらけの泥だらけになっているだろう…
あの優しい丞だから、きっと私の後を追ってきてくれている…
丞………ビックリしてるよね…
私が縁側から立っただけで、あんなにも心配するんだもん…優しすぎるよ丞…
そう思うが、やっぱり私の足は止まらなかった。
私の体が……大事な人を…愛次郎を失うのを拒んでいるんだな…
ついつい愛次郎とあぐりちゃんの無事を願ってしまう。
助けたい。大事な人を…
お願い。無事でいて…