★時の架け橋★ ー誠の背中に恋をした。
佐伯「いやぁ…二人とも馬鹿だよねぇ…簡単に引っ掛かっちゃうんだもん…美鈴ちゃんもそう思わない?」
あぐりの身体を足で少し揺らす佐伯…
美鈴の怒りは爆発寸前だった。
佐伯「芹沢があぐりちゃんの事気に入ったぁって、眉を下げて言えばその気になっちゃって…
呆れるよ…ね?」
もう限界だった。
呆れる訳ないじゃない。
愛次郎は、それだけあぐりちゃんを想って、
護ろうとしたんだから…
心が叫ぶ。
この、男に向かって怒りをぶつける。
止めようとしても…無理だ。
怒りが渦巻いて、自分の感情が抑えられなくなる。
こ…ろ……………す
こんな奴……………
殺してやる
私は、無意識に愛次郎があぐりちゃんを守ろうとしたあの刀を手に持ち…
グサッ
佐伯「……うぅっ…!?!?」
―――佐伯を刺した。
佐伯をどうしても…許せなかった。
私の大事な人を…何で私から奪うの?
気付いたら、佐伯を刺していた。
返り血が私の顔…身体を赤に染めていく。
私が刺した人の血が。