The world is changed story
柔らかそうな背もたれにもたれる事もせず、
私は頭にはてなを浮かべ、少し方に力が入った。
「デイムさんは、剣の腕がいいと王子に聞いたんですが、
どこかで習ったり鍛えたりしたんですか?」
まさか、ずっと人を避けていた私が。
父さんが生きてた頃はたまに剣を習ったりしていたけど、
両親が亡くなってからは出会った魔物を倒すだけだった。
「幼い時、時々父に習っていただけです。」
相変わらずリュンヌさんは私の目をまっすぐ見て、
うつ向き気味になる私の視線を奪っている。
…笑顔、うまくできてるかな。
「ぜひ今度私と手合わせをお願いしたいです。
…と言いたいところなんですが、
私は短剣しか使えないんですよ。」
私は左手にいつも短剣を持っている。
右手の剣と合わせると少し戦いやすいから。
けど、短剣、だけ?
「王子とでも手合わせしてやってください。」
一国の王子様と手合わせって、えええ。
私なんかがそんな事、いいのかな。