The world is changed story
あの日…、クラルテと初めて会った日以降、
彼は何度か私の家を訪ねて来て、あの丘でも何度か会った。
人と接する事に慣れていなかった私は、
迷惑だと言いながらも実は少し嬉しかった。
クラルテの事を意識したことはなかったけど、
今自分の胸がほころんだ事で私は、もう…、
私の右手につながれたクラルテの少しゴツゴツした手に口づける。
触れたか触れていないかわからないぐらい、ほんの少し。
は、と自分の息を吐く音でさえ敏感に感じ取れるくらい静かな部屋の中。
布団から上半身を起こすと、少し肌がひやりとする。
「ん…、」
クラルテがもぞりと動き、私の心臓は少し跳ねる。
驚きと、自分の行動に対しての動揺。
…どうしよう、布団に隠れたい。
でも、手、離したくない……。
「……?デイム、…?」
どうしようか焦って時間に、クラルテは目を開いてしまった。
「っ、起きた!!よかった!!ほんとに…!!」
そう言ってクラルテはベッドの上に片脚を乗せ、私に抱きついた。
びっくりしたけど、嫌じゃない。
そっと、私もクラルテを抱きしめる。
指先が肩に触れた途端少しクラルテの肩が跳ね、
そして私を抱きしめる腕に力がこもる。