似非恋愛 +えせらぶ+

 付き合っている人がいて、望みのない好意を由宇に対して向けている斗真の気持ちは、好きな人がいて望みのない好意を斗真に向けていた私と同じだ。

 斗真は大丈夫か、そんなことを考えていた私。完全に失恋した斗真ともしかしたら、と淡い希望を抱いていた私。

 話しかける勇気もないくせに。

 しかし、そんな期待は無残な形で散った。


 そのたった1か月後のことだった。
 私は後石一家がスウェーデンに旅立ったことを知らされた。


 斗真は、何も言わずに、突然私の前からいなくなった。
















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