似非恋愛 +えせらぶ+
「じゃあ、これでよろしくお願いします」
選んだ物件を小城君に渡した。
「じゃ、連絡待ってるね」
人好きのする笑みを浮かべて手を振る小城君に笑みを返して、私は不動産屋を去った。
さて、せっかくの休日をどう過ごそうかと、普段、用事がない限り出歩かない私は、久しぶりに散策をしようかと思った。
ショッピングモールに足を運ぶのもいいかもしれない。
と、その時スマホが震えた。
「?」
斗真からのメールだった。
『今、何してる?』
実家に帰ったあの日から、斗真とは会っていなかった。
過去の自分の気持ちを斗真に告白したことで、心の整理がついたせいかもしれない。
以前のように、心が揺れることは少なくなったんだ。
『不動産屋に行って、今なんとなくぶらぶらしているところ』
返信をして、また歩き出す。と、すぐに返信が来た。
『今からそっちに行く。どこにいる?』
「…………」
斗真の返信に、私は目を見張る。突然どうしたんだろう。目に入った近くの喫茶店を告げ、私はそこに入ってアイスミルクティーを頼んだ。