似非恋愛 +えせらぶ+

「俺もだよ。ふーん、シアターとか入ってるんだな」
「何か観たいのある?」
「今何やってるのかもわかんねぇよ」

 困ったように言う斗真に、私は微笑む。

「じゃ、最初に映画館に寄って何やってるかみてみようか」
「おう」

 映画館のあるフロアに行くと、今公開中の映画の広告が並んでいる。

「へぇ、今こんなのやってるんだね」
「お、これ、劇場版出てるのか……」

 いろいろ見ているうち、1つのポスターが目にとまった。ドレスを纏った女性が馬に乗って剣を構えていて、森を走っているものだ。空にはドラゴンの姿もある。

「ねえ、斗真、これ観たい」
「ん、アクションファンタジーか、いいな。次の回はちょうど1時間半後らしい。チケットだけ、買っておくか」
「うん」

 私達はチケットカウンターで目当ての映画のチケットを購入する。

「さて、見て回るか」
「ちょっと新しい服でも買おうと思うの」
「ん、付き合う」

 それから、映画が始まる時間まで私達はなんとはなしにショップを見て回った。斗真が薦めてくれた服を買ってみたり、斗真に似合う服を薦めてみたりした。
 こうしていると、普通のカップルのようだと思った。

「そろそろ時間だな」
「そうだね、行こうか」

 映画館のあるフロアに行くと、入場待ちの列ができていた。
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