ちよちよみちよ



夏休みになると、みちよが言ったように、千代が毎日店に現れるようになった。
夏休みとは言っても何もする事がない僕は、自室にこもって爆音でロックンロールを聴きながら漫画を読んでいるのだが、千代が来る夕方五時頃になるとそそくさと店に下りた。そうして、みちよに夕飯を催促しながら、あ、千代、来てたの? と言うような顔をしてみせる。

「タケイチ、これ、持ってよ。重い」

「あ、ちょうどよかった、一、煙草買ってきてくれない?」

顔を出した途端に千代とみちよは交互に僕をパシりにした。「えー」とか「マジでー」とか言いながら、何だかんだで使われてやる僕。
お、千代のスカートが制服の時より短い。って、普段からそんな格好で出歩いてるのかよ、心配だな。
パシられながら、チラチラと私服の千代をチェックする僕。目付きはオヤジ化しているはずだ。
そして夜の七時半を過ぎる頃、僕は自転車をひいて千代を送ってやった。
近いとはいえ歩けば十分程度かかる。街灯も少ないし、こんなミニスカートで千代を一人で歩かせるなんて危険すぎる。
しかし、夏の湿った夜風も千代が一緒だと何だか艶かしいな。


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